文学史上に大きな足跡を残した近代詩人中原中也は、明治40年（1907年）4月29日、現在の山口市湯田温泉に生まれました。
下宇野令尋常高等小学校、山口師範学校附属小学校から山口中学校に入学。
小学校高学年より短歌を制作、雑誌や新聞の歌壇に投稿をはじめます。
その後、ますます文学に熱中し、中学3年で落第。立命館中学へ転校のため京都へ移り、高橋新吉や富永太郎の影響を受けて、詩人としての道を歩みはじめます。
大正14年（1925年）上京。小林秀雄、河上徹太郎、大岡昇平らを知り、昭和4年（1925年）、河上ら友人たちと同人誌「白痴群」を創刊。昭和9年（1934年）には、第一詩集『山羊の歌』を出版し、詩壇に認められるに至りました。
また、フランス詩の翻訳も手がけ、訳詩集『ランボオ詩集』等を刊行します。
昭和12年（1937年）10月22日、山口への帰郷を願いつつ、鎌倉の地で30歳の短い生涯を閉じました。
自らまとめ、小林秀雄に託した第二詩集『在りし日の歌』は、友人たちの尽力で昭和13年（1938年）4月に刊行されました。
その生涯を詩人として生き抜いた中也は、珠玉の詩篇を後世に残し、多くの人々に愛されています。
写真提供：中也肖像(18歳、有賀写真館）